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塗り足し、断裁ズレとは?
印刷の基本的なルールである塗り足しの作成ですが、一般の方には馴染みがないためよくデータ不備になってしまいます。
それは商業印刷が一般家庭のプリンターで印刷する方法とは異なる手順で作業をすることが原因だと思います。
このページでは印刷から断裁までの流れをご紹介し、なぜ塗り足しが必要かを詳しく解説いたします。
塗り足しとは?
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塗り足しとは、仕上がりのサイズよりも外側にある裁ち落とされる領域のことをいいます。 フチなし印刷をする場合は、塗り足し領域まで絵柄を作成しなければいけません。
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- トンボとは?
塗り足しはなぜ必要?
塗り足し領域は何のために必要なのでしょうか?
それは、印刷から断裁までの仕組みを理解すれば必要性が分かりますのでご説明します。
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①大きな紙に複数面付けして印刷
商業印刷はA全(A1サイズ)やB全(B1サイズ)といった大きな用紙に複数のデザインをまとめて印刷します。これを「多面付け」といいます。
家庭用のプリンターとは違い、実際の仕上がりサイズの紙に直接印刷する訳ではありません。
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②印刷した用紙を重ねてトンボで断裁
多面付けした用紙をキレイに重ねて、断裁機と呼ばれる機械で仕上がりサイズに一気に切り落とします。
その際、トンボの内側(内トンボ)を基準にして4辺を断裁します。
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数mmの断裁ズレが発生
①、②の工程の結果、印刷位置のズレ、用紙の伸縮、重ねた際の微妙なズレ、断裁時の刃先の微妙な流れなどの影響によって、必ず断裁ズレが起きてしまいます。
断裁ズレは極力おきないように注意して作業しておりますが、大きいときで1~2mmズレる場合があり様々なトラブルの要因となりますが、現状の仕組みでは無くすことができません。
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塗り足しがあればズレても安心
上記の要因で断裁ズレはどうしても起きてしまいます。
そのため、フチなし印刷をする場合は断裁ズレが起きてもいいように塗り足し領域を作成するようにお願いしております。 仕上がりサイズよりも大きく絵柄を印刷すれば、断裁がズレたとしても見かけ上ズレたことが分かりにくくなるためです。 -
- 紙端に白いフチが出ても構わないという場合には、塗り足し不要のままご入稿いただいても結構です。 その際は、大変お手数ですがご入稿時のコメント欄に「塗り足し無しで印刷OK」の旨を記載してください。
注意点
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「黒ベタ」は塗り足しになりません
塗り足しの作成でよくある間違いで、塗り足し領域を黒く塗りつぶす方がいらっしゃいますが、これはデータ不備となります。断裁ズレで黒い部分が見えてしまいます。
データを作成する際には仕上がりサイズから+3mm大きく作ることを前提にデザインしてください。
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均等幅のふちどりデザイン
均等幅のデザインをすると、断裁ズレの影響で均等幅にならない可能性があります。特に幅が細いとその分ズレたときに目立ちますし、全てなくなる場合もあります。 そのため、できるだけ均等幅のデザインを避けるか、均等幅にする場合でも3mm以上の太めの幅でデザインしてください。
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仕上がり位置付近に文字を配置
断裁ズレは外側だけではなく内側にもズレます。そのため、仕上がり位置に文字が近過ぎると、文字が切れてしまう恐れがあります。
切れては困る文字やデザインは仕上がり位置から3mm以上内側に配置してください。 -
- プリンパでは1mm以内の断裁ズレは許容範囲とさせていただいており、刷り直しの対象とはなりませんのでご了承ください。